
THE ART WORK

DETAILS






STATEMENT
作品について
CANVAS DRAGON 黒龍 F50
画面の上下に据えられた二つの渦。それは、神社の参道で神域を護る狛犬を象ったものです。一対の守護者のあいだを奔る無数の乱れた線は、削り出された龍の貌(かお)。本作は、日本古来の神道に息づく龍神の世界を、UNDULATIONの造形言語によって描き出した一作です。
F50号という大画面において、作家はあえて右下の狛犬を大きく構えました。どっしりと沈む巨大な渦を起点に、龍の乱線は左下から右上へと斜めに駆け上がり、画面全体がひとつの大いなるうねりとなって立ち昇ります。均衡をあえて崩すことで生まれた非対称の緊張こそが、本作の躍動の源です。
漆黒の地に刻まれた削りの線は、紫を基調に、ところどころ金や青の光を宿しながら揺らめきます。それは鱗のきらめきであり、雲を裂く雷光であり、龍の息吹そのものでもあります。上下の狛犬には特殊な銀の塗料が施され、見る角度や光の移ろいに応じて、静かに、しかし確かな輝きを放ちます。
黒の深淵から立ち昇る龍と、それを迎え護る二つの渦。神と守護者がせめぎ合い、響き合う一瞬が、圧倒的な量感とともにここに封じ込められています。

