
ベントレー・コンチネンタルを「切った」日のこと
写真のメタ情報を紐解くと、撮影は2008年5月。ある一台のベントレーにまつわる、忘れられない仕事の記録である。
お客様からのご依頼は、お持ちだった2000年代初頭のベントレー・コンチネンタルのヘッドライト周りを、2006年頃にリニューアルされた新しいコンチネンタルのような顔つきにカスタムしてほしい、というものであった。
正直に言えば、当初はかなりの勢いでお断りしていた。超高級車・ベントレーのフロントを、板金で切った貼ったする仕事である。そのプレッシャーは相当なものであった。
それでもお客様は本当に熱心に頼み込んでくださり、「たとえ失敗しても責任を問うようなことは一切しない。とにかくやってみてくれ」とまで言ってくださった。その言葉に背中を押され、お引き受けすることにしたのを覚えている。
ベントレーであろうがハーレーであろうが、相手は鉄。鉄の造形をすればいいのだから、道理としては僕たちにできないはずはない。とはいえ、車の中でも王者と言えるベントレーのフロントを、サンダーでぶった切るわけである。やはり腰はかなり引けていた。ところが、いざ手を動かしてみると、これが実に楽しい仕事であった。この写真を見ながら、そんなことを思い出した。
板金作業を終えて2週間ほど経った頃だっただろうか。僕たちが手を入れた部分はすべて美しく成形され、艶やかな黒の塗装をまとって仕上がっていた。お客様はその完成したベントレーを、本当に嬉しそうな笑顔で僕たちのところへ見せに来てくださった。
今思えば、とんでもない仕事を引き受けたものである。けれどそれも、当時のBAD LANDの勢いと、モチベーションの高さの表れだったのだろう。久しぶりにこれらの写真を見て、思わず笑ってしまった。









