
2010年の5月か6月頃、横浜元町界隈で撮った写真である。ここへ引っ越してきて、初めて迎えた春から初夏にかけての季節だった。
この街でまず驚いたのは、太陽の光の強さである。海が近いせいだろうか。日差しはものすごく明るく、光と影の境目がくっきりとしていた。道沿いの花々は鮮やかに発色し、葉の緑もそれまでとは違って見えた。街のあちこちに置かれた鉢植えや、何気ない路地の草木までが、強い光を受けて存在を主張しているようだった。
元町の通りを歩けば、舗道には長い影が伸び、オートバイや赤いポスト、店先の花々が強いコントラストのなかに浮かび上がっていた。カメラを向けるたび、光そのものを写しているような感覚があったことを覚えている。
あれから15、16年が過ぎ、街並みもずいぶん変わった。元町ユニオンは現在の建物がまだ建設中で、当時は仮店舗で営業していた。我が家の窓から見える場所にもマンションの建築現場が広がっているが、引っ越してきたばかりの頃、そこは一面の駐車場だった。ほんのわずかな期間ではあったものの、今よりずっと遠くまで見通せる風景が残っていたのである。
街は少しずつ姿を変え、その変化の途中にいた自分たちの暮らしも、いつの間にか長い時間を重ねていた。写真に残っているのは、元町の昔の風景だけではない。この土地で暮らし始めた頃の新鮮な驚きや、初めて出会った初夏の光まで、そこには写り込んでいる。
懐かしい街並みと、目に焼きつくほど鮮やかだった花と緑。これらは、横浜元町での暮らしが始まったばかりの頃を記録した、15年ほど前の写真である。













